嘘みたいなほんとのはなし
ハードルさんは滅多に怒りません。
不機嫌になるときはだいたい私が彼を蔑ろにしてしまったときくらいで、話せば分かってくれる。
そんな彼が、初めて怒りました。
母親が私を罵倒するのを見たからです。
私はその罵倒に対して黙って耐える、いつもの図。
後で、もううちの母親とは仲良くできない、あんなの見てたらおかしくなる。と怒っていました。
私に対して、よくあんなのに耐えてきたね。と。
え、そんなにひどかったの?って思いました。笑
アムカするくらい言われるのが10とすると、ハードルさんが見たのなんて0.5くらい。
どうってことないことだったのに。
大事な私が、言われているのが耐えられなかったそう。
ハードルさんは本当に暖かいご家庭で育ったので、きっとこんなことなかったんだろうなぁ。
結婚したらもう距離を置こうって言われて、少し複雑でしたけど、それがいいのかもしれない。
私は母の支配の中にいて、もうおかしくなっているんでしょう。
ハードルさんも、いずれ私のことをめんどくさくなるんじゃないか…と怖いのは、私がハードルさんを信じられていないからなんですね。
ハードルさんは、ただまっすぐ私を大事に思ってくれる。
すごく失礼なことをしているのは、私だ。
私に幸せになる資格はあるだろうか。
手を取ることを選択したら消えてなくならないだろうか。
手は目の前にもうある。
すぐ前にある。
勇気がないのは私だ。
ほんとのような嘘の話かもしれない。
怖いものは怖い。
幸せが怖い。