信じること
私は、人のことを信じることができません。
家族、大事な友達、信頼できる同僚や先輩、そして好きな人。
いつも傷つかないように一呼吸置いて接しています。
大切であればあるほど、その人の言葉は真にうけないでおこうと思います。
もし嘘だったら傷つくし、バカバカしいなと思うので。
人の好意とか、褒め言葉とかに対しては、
「ありがとうございます」とか「嬉しい」
って、自動返信メールのように返して、自分の心にはそういった言葉を入れることを許さないようにしています。
私には似合わない言葉たち。
そう思っていました。
ハードルさんが、あまりにも穏やかで、温かいものだから、少しだけ、本当なのかもしれないと思ってみようかと思い始めています。
今までの人みたいに、熱烈に好意を示してくる感じではなくて、なんていえばいいのか…見守ってくれるのが私にとってはすごく心地いいです。
ハードルさんは会うたびに、楽しい、充電できた、と言ってくれます。
電話すると、声が聞けて嬉しい、話すと楽しい、明日も頑張れる、と言ってくれます。
初めは(またまた大げさなこといって、信じないぞ)とか思いつつ「ありがとう」って返していたんですが、ふと、これがもし本当だったらって思ったんですよね。いや多分、多少盛って相手に伝えているとしても嘘ではないんでしょうが…
もしも、ハードルさんの言葉そのままのとおり私のことを好きと思ってくれていて、話していて癒されてくれていたり、楽しいと思ってくれているのだとしたら。
それは生きてきて私が一番欲しかったものです。
喉から手が出るほど欲しくて、欲しい欲しいと望み続けて手に入らなかったものです。
うらやましくて、妬んで、もう、自分には手に入らないと諦めていたものでもあります。
それを手にして良い人間なんだろうか、私は。
浮かれて嬉しがって手に取ったら消えてしまったりしないだろうか。
せかされるのが苦手だとハードルさんに言ったら、「ゆっくり長い目でいこうね」と言ってくれました。
まだまだ手に取る勇気は出ないけど、少しずつ少しずつ、リハビリのように向き合っていけたらと思っています。